イワシ化
『イワシ化』
ALSアイス・バケツ・チャレンジ。あれだけ世を賑わしたのに最近見も聞きもしなくなりました。
もしかしたらどこかで続いているのかもしれませんがそうは思えない。
あのチャレンジはALSを知るきっかけにもなったし募金も増えたようなので成功かもしれません。問題はそこじゃない。
"みんながやってるからやる"
"みんながやらないからやらない”
という思考が問題な気がします。
「評価と贈与の経済学」(徳間書店 内田樹・岡田斗司夫)の中で、岡田氏はこのような現象を”イワシ化”と言っています。
群れを成していれば小さい魚も大きく見え集団は同じ方向へ進んで行く。
書の中で
"その時の流行りとか、その場限りの流れだけがあって価値の中心みたいなものがなくなってきてるんじゃないか”
と懸念しています。
要するに自分自身が感じる価値がなくまわりの価値を自分の価値だと思い込んでしまっている。
別に家が欲しかったわけじゃないのに
消費税が上がる前に買わなきゃいけない様な流れに負けて家を急いで買ったり
別に興味もないのに
みんなが観てるからという理由で映画を観たりおもちゃが欲しいとねだる理由が
”みんなが持ってるから”
だったり
そうやって周りに流されてしまい
自分が好きな物
自分が気になるもの
自分が美味しいと感じるもの
が何なのかもわからなくなってしまう。
それって結構危険な思考な気がします。
集団でいれば大丈夫と思って安心して泳いでいたら大きな口を開けたサメに丸ごと飲み込まれてしまうくらい。
そうやってバブル後に廃人になったりリーマンショックで吹っ飛んだりするわけであって。
流行はメディアが作り上げた空想。
流行りのカラーは物を買わせるための手段。
その術中にハマって行くイワシ。
いつのまにか流行が去り
誰もそれをやらなくなり
消えて行く当時の価値感。
その中で生き残るのは
"自分が持つ真の価値感”
なんだと思う。
集団から飛び出して1匹になると
サメに食べられてしまうんではなく
サメからすれば1匹食べるより
群れを食べた方が効率がいい。
もしかしたらそうやって
サメに狙われてるかもしれませんね。
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