10人目、11人目、12人目。支え合った仲間たち。

弱小・都立武蔵野北高校野球部。この学年で野球部に残ったのはたったの4人だった。1年の仮入部のとき10人ほどいた入部希望者も蓋を開けてみたらこの4人になっていた。

3年間苦楽を共にした僕以外のこの3人は、僕にとって唯一の“友達”と定義づけられるヤツらなんだ。

影のキャプテン山本順一
キャプテンは僕だったのに、野球ばかりやりたかった僕の陰でチームをまとめてくれていた。高校卒業後も、なにかと気遣いをしてくれ、暗黒時代を駆け抜けていた僕を引っ張り上げ続けてくれていたのも彼だった。

「生真面目」を「なままじめ」と読んだり、「She is complaining」を訳せという問題の答えに堂々と「彼女はコンプレイニングしている」と書くようなバカなヤツなんだけど、その味のあるセンスがみんなの心を繋ぎ止め、中心になりまとめてくれていたんだ。

彼がいなかったら今の僕はいないし、後輩との繋がりもなかった。

生粋のファッションリーダー。奥ちゃん
第三野球部で言えば達郎さんなのか。野球部のイメージとはかけ離れたルックスとファッションで数々の女子高生を虜にしていた。でも本当は真の優しさが人の心を動かしてたんだと思う。

ピュアで純粋で愛情に敏感。独自のスタイルを貫き、いつも僕たちを驚かせてくれた。

彼と2人でパワプロで思いっきりケンカをした。今はなき「たかまる」というパチンコ屋に入り浸り、フィーバークイーンで狂乱した。僕にとっては憧れの存在だった。真面目くさって野球漬けだった僕には、彼の輝かしさが羨ましくもあった。
4人の中ではいつまでもアイドル的存在でいてほしいって思う。

遅れてきた男。巻き爪のオザキ
彼は僕ら3人に遅れること1年生の夏に野球部に入部してきた。僕が集合場所を伝えるために彼の自宅に電話したら「あー??ちばー??」と仲良くもないのに呼び捨てにしたオザキは、夏休みの練習で巻き爪になり練習をサボりやがった。
彼だけが冷静に物事を判断し、客観的に捉え、理論的に状況判断してくれる。いわば他3人にとっては監査役みたいなものだ。

サウスポーの彼はリリーフエースだった。でも、あれから十数年経った後のほうが球速が増し、変化球のキレもよくなったのはきっと、あの時巻き爪でサボったからに違いない。
人数が少ない分、濃密な青春時代を彼らと過ごした。当時の僕は「吐けって言われればいつでも吐ける」という名言を残すような精神状態だった時も、彼らと馬鹿騒ぎしてた。
4人中3人が同じバイト先。麻雀するのもいつもこの4人。ケンカすることもほぼなくていつものように一緒にいたけど、僕が消えたり、誰かがいなかったり、離れ離れになることも。

今じゃ4人とも父親になった。
愛媛と福井と東京とバラバラだけど、きっと集まればまたあの時の話をバカみたいに話すんだと思う。

僕は、“友達”と呼べるのはこの3人だけなんだ。1番しんどかった時期を知ってる3人だし、いつも支えてくれていたのはこの3人だったから。

いつまでも友達でいて欲しいと思う。
そんな3人を僕は大好きなんだ。

ちばつかさ こころとからだの中身から

元プロ野球選手の柔道整復師 こころとからだのコーディネーター ちばつかさのWEBサイト

0コメント

  • 1000 / 1000